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失敗おそれず、脱ニート   


 「ニート」や「無業者」と呼ばれる若者は85万人にのぼり、その中には女性が多く含まれる。「家事手伝い」の女性たちで、「花嫁修業になるから」と家族から重宝がられ、表面には出て来にくかった潜在的失業者である。

 ニートと呼ばれる若者の多くは、必ずしも働く気がないわけではなく、むしろマジメ過ぎるぐらいだから一歩を踏み出せず、働き始めても長続きしないのだと、あるニート支援団体の代表が言っていた。共通点は「雑談ができないこと」。

 たとえば、連ドラの話をするとき、「昨日の竹野内豊のドラマ見た?」「見た」「カッコよかったね」「うん」「あなたも好き?」「べつに」「じゃあ誰が好きなの」「……」というように話が広がらないから、話しかけたほうは面白くない。つい話しかけるのが面倒になる。すると当人は「無視された」「いじめだ」「職場の人間関係が良くない」と不満いっぱいで職場から去っていく。

 子どものころからクラスの中で目立たなくて、人付き合いが苦手なタイプに多い。ニートの母親にも似た傾向が見られるそうだ。趣味の集まりや地域活動、ボランティアといった社会参加には関心が薄く、家の中の仕事をしっかりやりたい専業主婦。珍しくないフツーの主婦かもしれない。

 雑談や人付き合いは、経験を積めば誰でもできるようになるが、ニートやニート・マザーたちは失敗を恐れ、自分の殻にひきこもってしまうのだろう。

 少々の失敗でも大丈夫。むしろ失敗したほうがいい。「これ以上の失敗はまずいが、ここまでなら許容範囲」というラインが見えてきて、手抜きの仕方や失敗をフォローする方法もわかってくる。人間は失敗する生き物だし、人には向き不向きがある。世の中に3万あると言われる職種の中からたった1つの天職を探すより、向かない職種を見つけて分母を小さくするほうが早道だ。

 頭の中であれこれ考え過ぎず、まずは体験を。気軽にできる短期のアルバイトやパートから始めてみるのもいい。失敗して少々カッコ悪いことがあっても、大丈夫。体験しなければ、何も始まらない……そうやって背中を押し、あたたかく見守り、弱音にも耳を傾け、共感してくれる身近な存在をニートやニート・マザーは必要としている。社会に出れば、きっと新しい出会いがある。だから、夢をあきらめないで。

                             [筆者]栗原 知女さん
                             シニア産業カウンセラー
                                   読売新聞より



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